ここからが本文です

解説:投資信託にかかる税金

投資信託にかかる税金

分配金の支払いには2つのコースが

ここでは、個人のみなさまを対象とした税金についてご説明します。近年、毎月や奇数月等、定期的な分配をめざす投資信託に人気が集まっているようです。
決算時に支払われる分配金は、

  • (1) 経費を控除した後の株式の配当金や債券、コールローン等から生じる利子等の収益
  • (2) 経費を控除し、繰越欠損金を補填した後の株式・債券等有価証券の売買益及び債券の償還によって生じる償還差益
  • (3) 前期から繰り越した分配可能原資

等を原資としています。

なお、分配金については、安定的な支払いが続いているとしても、その支払いはあくまでも過去の実績であり、投資信託説明書の分配方針等に記載があるように、分配金額が減額されたり支払われないこともある点に留意が必要です。

次に、収益分配の時期と支払い方法について見てみましょう。

例えば、毎月分配金を支払う公募株式投資信託の場合、収益分配は、毎月の決算日に行われます。投資信託によっては、収益分配を受け取る方法の他に、再投資する方法を選択することのできるものもあります。

前者を「分配金受取コース」または「一般コース」といい、分配金は個別元本(後述)に応じた税金が源泉徴収された後、投資信託の保有者(受益者)宛に支払われるものです。後者は「分配金再投資コース」または「累積投資コース」といい、分配金は個別元本に応じた税金を差し引かれた後、その資金が手数料なしで同じ投資信託に再投資されます。

元本払戻金(特別分配金)と普通分配金

さて、個人のみなさまが定期的な分配をめざす投資信託を購入した後、分配金を受け取る際に、1万口に対し○円という水準は変わっていないのに、毎月受け取る金額が違うというケースが実際にあります。また、ある月は税金がとられ、ある月は税金がとられていないといったケースも発生します。これは、セミナー等でも、非常に質問の多いポイントです。

公募株式投資信託では、投資信託を購入された方の加重平均した購入価格を課税上の元本と見なしています。これを「個別元本方式」といいます。

例えば、ある投資信託を基準価額8000円で1万口購入した後、基準価額10000円で1万口を追加購入したとすると、この方の個別元本は9000円ということになります。

元本払戻金(特別分配金)と普通分配金

次に、ある決算期に、この投資信託の基準価額が8000円で、1万口に対し40円の分配金が支払われたとします(分配落ち後基準価額は7960円)。この方の個別元本は9000円ですから、基準価額8000円では、1000円の損をしていることになります。にもかかわらず、分配金を受け取るわけです。

簡単にいえば、投資元本が減っているのに分配金を受け取ることになります。つまり、この分配金は「利益」から支払われているのではなく、投資元本を一部払い戻していると考えることができます。

このような分配金を「元本払戻金(特別分配金)」といいます。この元本払戻金(特別分配金)には、税金がかかりません。この場合、この方の個別元本は、9000円 - 40円=8960円となります。

元本払戻金(特別分配金)と普通分配金

では、この投資信託の基準価額が10000円に上昇していたとしたら、どうでしょう。この方の個別元本は9000円ですから、1000円の利益が出ていることになります。この場合は、分配金40円は「利益」から出ています。このようなケースで支払われる分配金を「普通分配金」といいます。普通分配金は配当所得として、所得税と住民税が課税されます。この場合、個別元本は9000円のままで、変更はありません。

元本払戻金(特別分配金)と普通分配金

毎月支払われる分配金の税引き後の手取り額が違ったのは、基準価額の値動きにより、分配金が「元本払戻金(特別分配金)」に該当したり、「普通分配金」に該当したりして、支払う税金の額が異なったからなのです。なお、上記例は手数料等を考慮しておりません。

分配金にかかる税金

公募株式投資信託については、受益者が支払いを受ける収益分配金のうち普通分配金に対して、下記のとおり課税されます。
元本払戻金(特別分配金)は受益者の元本の一部払戻しに相当する部分のため課税されません。

収益分配金(普通分配金)にかかる税率

<2014年1月1日~2037年12月31日>
 20.315%の源泉徴収課税(申告不要)または申告分離課税
 (所得税および復興特別所得税:15.315%、住民税:5%)

  • ※2014年1月より、一定の条件を満たした公募株式投資信託の収益分配金(普通分配金)が非課税扱いとなるNISAが開始されています。NISAについて詳しくはこちらをご覧ください。

<2038年1月1日~>
 20%の源泉徴収課税(申告不要)または申告分離課税
 (所得税:15%、住民税:5%)

  • *上記は2014年1月時点で施行されている現行制度に基づくものです。詳しくは販売会社もしくは税務署等にお問い合わせください。

コラム《特定口座について》

みなさまの中には、税金の申告のことで頭を痛めていらっしゃる方もおられることと思います。そんなみなさまにご紹介したいのが「特定口座」という制度です。

この制度を利用されますと、銀行等金融機関がみなさまに代わって、投資信託の譲渡損益等を計算し、「年間取引報告書」を作成しますので、みなさまはこれを用いて確定申告することができます。さらに、「源泉徴収あり」を選択すると、収益に係る税金は「源泉所得税」となり、みなさまに代わって銀行等金融機関が納税しますので、みなさまは「確定申告」する必要がなくなります。

いずれにしても、「特定口座」制度はみなさまにとって、メリットの大きい制度といえるでしょう。詳細はお取引先の金融機関にご確認ください。

ここまでが本文です このページの本文へ戻る