「プレミアム企業のクセになる魅力」。私にとって山や岩は登る魅力と眺める魅力の両方を持つのと同様に、「プレミアム企業」の魅力はファンドマネジャーの私、投資家としての私だけでなく、消費者としての私も魅了しています。当ファンドにおいて「プレミアム企業」とは、一例としてブランド力等に示される無形資産の価値が高い企業を指します。消費者として私たちは日々、ビザのカードを使ったり、ナイキのシューズを履いたりしますが、「プレミアム企業」が提供する製品・サービスの高い機能や利便性が「クセになる魅力」となり、私たちを継続的な購買へ導くと考えます。この点が、投資家の立場としての魅力でもあります。消費者の継続的な購買は「プレミアム企業」の安定的な利益の源泉となっており、反復性のある消費に裏付けされた持続的な株価成長が見込める点が、投資家としての「クセになる魅力」だとも考えます。
実は、ロンドンの運用チームの投資行動をモニタリングするファンドマネジャーの立場としてはもう一つの魅力があります。それは「長期投資」の投資哲学が一貫していることです。チームの運用責任者ウィリアム・ロック氏をはじめ運用チーム全員が同じ独自の運用哲学を堅持し、規律ある運用を行っています。「プレミアム企業」の中でも確信度の高い銘柄を厳選して集中投資し、長期間保有します。「グローバル・フランチャイズ運用戦略^*」が運用を開始した1996年以来、幾多の試練を乗り越えてきた運用戦略です。
運用チームは、ESGについても運用体制を強化しつつ、独自の視点を持っています。当ファンドでは、2021年11月末現在ESGの観点から投資対象外とされがちな、たばこ銘柄のフィリップ・モリス・インターナショナルを保有しています。同社は会社の目標として「煙の無い社会」、つまり、煙とは無縁（無煙）な社会の実現を掲げており、紙たばこに対する各国当局の規制が強まる中、加熱式たばこIQOSの開発・販売を通じ、より便利で環境にも配慮し、スマートな喫煙文化を広めているのです。たばこが日常的に消費される特徴を持つことや株価が割安に放置されている点も踏まえると、アクティブ運用でかつ企業の無形資産価値に注目する当ファンドならではの銘柄であると考えています。
当ファンドの運用戦略が開始した1996年は私の生まれた年でもあり、愛着を持つとともに、25年以上もの間一貫した投資哲学を持ち続け、安定した運用実績を残している運用戦略に信頼を感じます。無形資産を持ち継続的に消費される家庭用品やソフトウェアを提供している「プレミアム企業」は、マーケット環境が不透明な時期こそ強みを発揮できるという特徴があると考えます。この先も「継続的に利益を生みだせる企業こそが、長期的に優れた運用実績をあげるために最も魅力的な投資対象である」との運用者の信念を信じ続けたいと思います。

• ＊ グローバル・フランチャイズ運用戦略は、当ファンドのマザーファンドの運用指図権限の委託先であるモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・リミテッドによって運用されているファンドの運用戦略です。当ファンドが投資するマザーファンドと同様の運用プロセスを用いておりますが、当ファンドの運用実績とは異なります。
• ＊ 上記は一例として企業のブランド・製品を紹介したものであり、個別銘柄の推奨を目的とするものではなく、また当ファンドにおいて上記銘柄を組み入れることを保証するものではありません。